カウンセラー紹介

みなさんのお話を伺う前に、自分のことを知ってもらわなくては、と思い、自己紹介を書きました。

カウンセラーの経歴

九州大学大学院人間環境学府実践臨床心理学専攻修了
臨床心理士、公認心理師
Emotion-focused Therapy (EFT) level1 Therapist
Accelerated Experiential Dynamic Psychotherapy (AEDP) level2 Therapist

精神科クリニック、大学の心理相談センターでの勤務、大学教員を経て、現職。
“人は、人との関係によって傷つくが、それによって癒され、勇気づけられる”という考えから、感情と体験、そして関係性を重視する統合的なカウンセリングを行う。

【業績一覧】
・山内志保(2016)統合的心理商法におけるセラピストの現前性と自己開示. 心理臨床学研究 第34巻第1号
・山内志保(2018)加速化体験力動療法の理論と介入がもたらす変容 ー治療関係における感謝に注目してー. 臨床心理学 第18巻第5号
・山内志保(2020)カウンセラーのセルフケア マネジメントとトレーニング. 臨床心理学 第20巻 第4号

子どもの頃の記憶

長女として生まれた私を、両親は大切に育ててくれました。愛情にあふれた記憶もたくさんあります。
ただ、若くして親になった両親は、無意識のうちに、自分たちの劣等感やコンプレックスを、私を通して解消しようとしているようでもありました。

特に母は、勉強や習い事にとても厳しく、私はよく泣かされました。うまくできないと、母が私を置いて部屋から出て行ってしまうのが、とてもつらく、いたたまれなかったのを覚えています。
悔しさと不安と寂しさでいっぱいになりながら、母に褒められたい一心で、認めてもらえるまでひとりぼっちの練習を続けました。
母は、その後には必ず褒めてくれましたが、幼い私の脳には、「うまくできなければ振り向いてもらえない、うまくできない自分はいらない子」なのだという情報がインプットされていきました。

突き放さず、そばにいて、根気強く教えてほしかった。できないことも認め、受け入れてほしかった。何かができなくても、「大丈夫よ」と言ってほしかった。
今ならこうして言葉になりますが、まだ小さかった私には到底できないことでした。

カウンセラーとしての原点

「できない自分はダメで、いらない子」。そんなふうに感じていた私の心を救ってくれたのは、叔母の一言でした。

母からきつく叱られてしまったある日、叔母が、私にこう言ってくれたのです。
「その純粋な気持ちを、忘れたらいかんよ」
私の様子がいつもと違うことに気づいてくれたのでしょう。
何を聞き出すわけでもなく、叔母が言ってくれたさりげない一言。

できない自分でも愛してほしいという私の思いを、「弱い」「甘えている」「わがまま」と罵ることなく、「純粋な気持ち」だと肯定してくれた。
この体験は、その後も長く私を支え続けました。

自分自身を優しく、まるっと包み込んでもらえたような感覚。
そのままでいいと言ってもらえたようでした。

この体験が、カウンセラーとしての私の原点になっています。

うつ病になった母が見せた優しさ

高校生のとき、母親がうつ病になりました。
今でこそカウンセラーという仕事をしていますが、当時はまだ、うつ病について詳しく知りませんでした。

私は、一人では外出できなくなってしまった母と一緒に買い物に行きました。

そんなある日、母が私の髪を撫でながら「あんたといると、ホッとするなぁ」と言ってくれたのです。
私はようやく母に、自分の存在を認めてもらえたような気がしました。

母はうつ病によって、心が弱くなっていましたが、同時に、こんな優しさを見せてくれたのです。

人間は誰も完璧じゃない

うつ病をはじめとした心の病には、今でも「甘え」「心の弱さ」という根強い偏見があります。
私の父も、薬の影響で眠り続ける母の姿を不機嫌そうに見るばかりでした。

ある日、決定的な出来事があり、私は両親の離婚を覚悟しました。大学進学を諦め、働けない母を、私が養っていなくてはいけないかと悩みました。

その翌日、私と母は父が帰ってくる時間を、息を詰めて待ちました。
出ていけと言われたらどうしようと、私の胸は不安と恐怖でいっぱいでした。母もきっと同じ気持ちだったことでしょう。

しかし、父は頭を下げて謝ってくれました。父は「自分が家族を養っている」という、いわゆる亭主関白な考えの持ち主でした。父の性格を考えると、妻や子どもに頭を下げるのは簡単なことではなかったと思います。

それからは、起き上がれない母の代わりに家事をしていると、「ありがとうな」と声をかけてくれることもありました。私に対する父の、せめてもの罪滅ぼしだったのでしょう。

今では、「親も完璧じゃない」と教えてくれた両親に、心から感謝しています。

親の愛情を必死で求める子どもの気持ちも、心の病に対する偏見も、そして、問題が起こってもそれを修復し、個人として、家族として、立ち直っていけるということも、この家族で育ったからこそ知ることができたと思っています。

「自分も周りの人も幸せにするカウンセリング」を提供したい

大学に進学した私は、臨床心理学に出会い、カウンセラーになるために大学院へ進みました。

大学院を出て、精神科クリニックや大学で働くなかで、カウンセリングの知識や技法は、「自分も周りの人も幸せにするための生きる知恵」として多くの人に役に立つものだと思うようになりました。
当オフィスで提供する「自分の感情との向き合い方を知るカウンセリング」は、これまでの学びの集大成です。

現在の私の目標は、一人でも多くの方に、感情をコントロールする方法を身につけてもらい、自分も周りの人も幸せにする人生を送っていただくことです。

ここまで読んでくださったすべての方へ

今がどんなにつらくても、希望を捨てないでください。
傷ついた心も、つらい過去も、必ずあなたの力になります。
「あの時があったから、今がある。そして、これからをもっといいものにしよう」
いつの日か、そんなふうに笑顔で話してもらえるように、カウンセリングを通してお力になりたいと思います。

大切にしていること

ただ、話をするだけではなく、心や身体の声に耳を傾けていただき、ほんとうの感情に気づくこと、感情をしっかりと体験することを大切にしています。

この考え方は、フォーカシング指向心理療法、AEDP(加速化体験力動療法)、EFT(エモーション・フォーカスト・セラピー)といった心理療法に基づくものです。

感情に気づくこと、体験すること、表すこと。そして、感情が伝えてくれている意味を知ること。これは、カウンセラーと話すだけではなく、自分自身と話す機会にもなります。

自分自身との対話ができるようになることは、とても大切です。自分に問いかけることは、自分を知ることの大きな一歩だからです。